"DERRICK"
USでもUKでも無い、CRAFSORTによる解釈のDポケットライダースジャケット
表地:Cow leather
身頃裏:Cotton100%
袖裏:Cupra100%
中綿:Polyester 100%
SMALL 着丈65cm身幅106cm肩幅44cm裾丈61.5cm
MEDIUM 着丈67cm身幅110cm肩幅46cm裾丈62.5cm
LARGE 着丈69cm身幅114cm肩幅48cm裾丈63.5cm
X LARGE 着丈70cm身幅118cm肩幅50cm裾丈63.5cm
model:small size / 173cm 54kg
Dポケットといえば50s USライダースのイメージが強いと思われる。フロントベルトの物が多いのでパンクスにはあまり馴染みがなく、Dポケットライダースを着たパンクスを筆者は見た記憶が無く、Dポケット鋲ジャンなんて存在しないのではと思うほどである。
個人的にDポケットライダースを探していたのだがなかなか好みの物に巡り会えず、「無いならば作ろう」と、今回製作するに至った。
発祥を辿ると、1930年代LEATHER TOGSというアメリカのメーカーが世界初のDポケットライダースを製作したとの説がある。しかし時を同じくして1930年代のイギリス、現ルイスレザーの前身D.LEWISがリリースしたDポケットライダースが世界初であると言う説も発見した。
筆者としては、USのDポケットをベースにUKのエッセンスを加え...というのが当初の目論見だったが、UK・USどちらが発祥なのか真実は闇の中となってしまった。ここは今後の研究課題として置いておき、次へ進もう。
従来のDポケットはパッチポケット+ジッパーと主張が強く、筆者はどうもその点が引っかかっていた。そこでダブルステッチにてDを描くことにより、印象の柔らかなDポケットを表現。さらにハンドウォーマーとしての役割も加えて片玉縁ポケットを追加した。
ジッパーは配色のアクセントとしてコットンテープのキャメル。上留めと呼ばれるパーツにもこだわり、コの字・U字留めを使用しヴィンテージ感を醸し出した。UKの要素を加えるべく、フロントベルトではなく切り替えのベルト風の形状にした。
サイジングは身幅・袖幅共にタイトでなく比較的ゆとりをもたせた。合わせて着丈も長めなので整ったバランスとなる。
背面は3枚切り替え+腰ヨークとスタンダードなスタイル。特筆すべきはアクションプリーツを搭載したことにより、肩・腕周りの可動域が格段に広がった。
革は国内産の牛革を使用。この革は既存で流通しているものではなく、国内のタンナーにてこの企画のために制作して頂いた。タンニン鞣しのコシがあり無骨でナチュラルな風合いと、クロム鞣しのしなやかで強度のある風合いを併せ持つ、”コンビ鞣し”と呼ばれる手法を採用した。無骨な雰囲気ながらも強すぎない光沢感とシボ感で、程よくコシがあり最初は若干堅さを感じるが比較的馴染みやすく徐々にツヤも増していく。
また通称、”茶芯”と呼ばれる仕上げで、下地を茶色で染めた後、染料を吹き付けることにより、擦れ等で下地の茶色が表れるという経年変化を楽しめる仕上げになっている。
内ポケットは左側はファスナー付き、右側は裾部分で携帯電話などの出し入れがし易い設計になっている。また+αでもう一つポケットがあるがそちらは実物にてご確認頂きたい。
身頃裏はコットン、袖裏はキュプラで全面中綿入りのキルティング仕様のため、防寒性も兼ね備えた。